カスハラってどこから?カスタマーハラスメントの定義・基準や適切な対処法を弁護士が解説

この記事では、カスタマーハラスメント(カスハラ)について、その定義やクレームとの違い、法的に違法・不当とされるポイント、弁護士を立てた際にできることなどを解説します。

カスハラの定義、どこからがカスハラ?

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、要求を実現するための手段・態様が不相当なものであって、その手段・態様により、労働者の就業環境を害するものを指します。

これは一般的なクレーム対応とは異なり、顧客が自分の要求を過度に押し通そうとする攻撃的な行動を特徴としています。

カスハラの具体例

例えば下記のような事例がカスハラに該当します。

  • 無理な返品や返金を執拗に求め、従業員を威圧する
  • 他の顧客の前で、従業員に対し大声で罵声を浴びせる
  • 土下座や不必要な謝罪を強要する
  • 無関係な商品やサービスに対して過剰な要求を繰り返す
  • 深夜や営業時間外に何度も電話をかけてくる
  • 「晒してやる」などの脅迫を行い、ネットに悪評を投稿すると脅す
  • 金銭の支払いを求めるなど、過剰な補償を強要する

カスハラとクレームの違い

クレームとは、商品やサービスに対する不満や改善要求を合理的に伝える行為です。

一方、カスハラはその範囲を超えて、不当な要求や威圧的な行動をもって従業員に圧力をかけることです。

クレームは、要求内容もその伝え方も合理的な行為であり、他方、カスハラは従業員や企業を不当に苦しめる行為であることが違いと言えるでしょう。

カスハラ(カスタマーハラスメント)に対して弁護士ができること

カスハラに対する基本方針の明確化や周知

弁護士は、企業がカスハラに対してどのように対応すれば良いかを明確化し、基本方針の策定をサポートします。

この方針を従業員に周知することで、カスハラに直面した場合でも適切に対応できる体制を整えることができます。従業員が安心して働ける環境を作り出すことが目的です。

クレームなのかカスハラなのか判断が可能

顧客からの要求や言動が正当なクレームなのか、それともカスハラなのかは、状況に応じた判断が必要です。

弁護士は、企業がこうした判断を正確に行えるようサポートします。特に、どのような要求が合理的で、どのような行動が不当であるかを法的な観点からアドバイスします。

不当な要求に書面や口頭で牽制することが可能

不当な要求がエスカレートした場合、弁護士が関与することで、書面や口頭での牽制が可能です。

法的な文書を通じて、顧客に対して過度な要求は許されないというメッセージを送り、トラブルの深刻化を未然に防ぎます。適切な法的対応をすることで、顧客の行動を抑止することができます。

カスハラ(カスタマーハラスメント)が違法・不当とされるポイント

要求されている内容があまりにも妥当ではないこと

カスハラとみなされるかどうかのポイントの一つは、顧客の要求内容があまりにも妥当でないかどうかです。以下はその例です。

例(1)自社のサービスや商材と関係ないケース

購入した商品やサービスとは関係のない要求を繰り返す場合、その行為はカスハラとして認められる可能性があります。

例(2)こちら側に過失やミスがないケース

企業側に明確なミスがなく、それにもかかわらず執拗に要求が続く場合も、カスハラに該当する可能性があります。

拘束的だったり、脅迫・恐喝のような言動であること

カスハラは、顧客が従業員に対して脅迫的な言動や執拗な拘束行動を取ることでも判断されます。

例(1)「ぶっ飛ばすぞ」といった暴力的な言動

身体的な危害を匂わせるような発言は、明確に違法な脅迫行為に該当します。

例(2)数時間もしくは深夜などに執拗に電話する

営業時間外や深夜に何度も電話をかけ続けるなど、従業員の生活を著しく妨げる行為も違法性が高いです。

例(3)金銭や土下座を要求する

金銭的な補償や土下座などの屈辱的な行為を強要することも、カスハラとして違法行為に該当します。

カスハラ対策は従業員の定着率にも影響します

カスハラが放置されると、従業員の精神的ストレスが高まり、結果的に職場の定着率が悪化します。

従業員が過剰なハラスメントにさらされることで、離職率が高まり、職場の士気も低下します。企業が従業員を保護し、カスハラに対して適切な対応を取ることで、従業員が安心して働ける環境を作ることができ、それが企業全体のパフォーマンスにも好影響を与えます。

カスハラへの対応・対策は弁護士にご相談ください

西村綜合法律事務所では、カスタマーハラスメントに関する問題の解決をサポートしています。

企業が直面するカスハラの問題を適切に対応するため、法的なアドバイスや方針策定、具体的な対応方法を提案いたします。初回相談は無料ですので、カスハラに関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。オンライン面談も可能ですので、全国どこからでも対応いたします。

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