労働組合から団体交渉を申し込まれた場合どうすればいいの?

団体交渉は社内の労働組合から申し込まれる場合と、労働者が1人でも加入できる社外の合同労組(ユニオン)から申し込まれる場合があります。

では、労働組合やユニオンから団体交渉を申し入れられた場合、会社としてはどのような対応が必要となるのでしょうか?

ここでは、団体交渉を申し入れられた場合における会社側の対応について解説いたします。

1、労働組合とは?団体交渉とは?

そもそも、労働組合とはどのような団体なのでしょうか?

労働組合とは、労働組合法第2条において「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう」と規定されています

労働組合は会社との関係において弱い立場に置かれやすい労働者と会社との対等な交渉を可能にし、労働者の権利保護に重要な役割を果たしています。

厚労省が行った「労働組合基礎調査」では、日本の労働組合の組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は2020年6月30日現在で、17.1パーセントでした。
簡単に言うと、現在会社に雇用されている人のうち労働組合に加入している人の割合は、全体の約17パーセントであるということになります。

いかがですか?この数字だけを見たとき、案外労働組合の組織率の低さに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

現状として、わが国の企業規模の内訳としては中小企業の占める割合が圧倒的に多く、そのような中小企業ではそもそも労働組合が存在していない会社も多くあります。
また、仮に労働組合が設置されていたとしても、組合に加入をしていない労働者も多く見受けられ、以上のような事情により、労働組合の組織率はわが国においては低い割合にあるといえます。

しかしながら、労働組合の組織率は年々減少傾向にある一方で女性やパートタイマーなどの非正規雇用者の労働組合員は増加しています。
そのため、現状としては労働組合の組織率は減少傾向にあるものの、労働組合は労働者のよりよい労働環境実現のための砦としての役割を担っているともいえるでしょう。

それでは、労働組合の種類にはどのような種類があるのでしょうか。

日本における労働組合の形式には様々な種類があり、大きく分けて企業別組合、産業別組合、ナショナル・センターの3つの層から成り立っています

企業別組合とは、同じ会社の労働者が集まり職種に関係なく組織した労働組合をいいます。
一般的に、労働組合というとこの企業別組合をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
この企業別組合は、会社との賃料の値上げの交渉や就業規則の改定など、主に職場環境の改善を図る役割を担っています。

この他の種類としては、企業別組合が集まり同じ産業同士で結集され組織された労働組合として産業別組合があります。
代表的な産業別組合としては、全国建設労働組合総連合(全建総連)や全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)があります。
産業別組合の主な役割としては、「春闘」において企業との交渉の指揮をとり、労働者の労働環境の向上を図るといったものがあります。

最後に説明させていただく労働組合の種類としては、産業別組合が集まって作る労働組合の全国的な組織として、ナショナル・センターがあります。
一言で申し上げますと、ナショナル・センターとは、すべての労働組合のまとめ役のような存在です。
このナショナル・センターは、政党や各省庁と会議を行い、各省庁の各種審議会へ参加し意見を交換するなどして労働者の労働環境の向上に努めています。

以上のような労働組合により、労働者側には労働環境の改善が図られるというメリットがある一方、会社側にも労働者の労働環境が改善され、労働意欲の向上や生産性が上がり業績が良くなるなどといったメリットがあります。

ここまでにおいて労働組合についての概要をご説明いたしましたが、これらの労働組合が実際に労働者の権利向上を図るためには、会社に対して、何かしらの働きかけが必要になります。
この、労働組合が会社との間で労働条件その他労使関係のあり方についておこなう交渉のことを団体交渉といいます
団体交渉は、労働者の労働条件や労働環境の向上を目的としてなされることが多いです。

この団体交渉は憲法や労働組織法によって法的に保障されている労使間の交渉の態様の一つです。
団体交渉の例としては、解雇の撤回といった、既に会社側からなされた行為に対する解決を図るものや、賃金の値上げ、また、就業規則の改定といった労働者の労働環境の向上のためになされる団体交渉もあります。

2、合同労組(ユニオン)とは?

合同労組(ユニオン)とは、会社に労働組合がない場合や労働組合があっても機能していない場合などに、会社という枠を超え地域を基盤として、複数の会社の労働者が集まり組織している労働組合のことです。

日本の企業の中には、労働組合を置いてない中小企業も多く、こうしたユニオンによる団体交渉などにより労働者の権利保護が図られるケースも見受けられます。

ユニオンに加入する場合は、労働者自身で加入資格のありそうなユニオンをインターネット等で検索し、加入の申し込みを行う必要があります。

3、団体交渉の対象となる事項

団体交渉の対象となる事項については法律上の直接的な規定は存在せず、会社側が任意に応じる限りは団体交渉の対象として取り扱われる事項となります。
ただし、会社側には団体交渉に応じることが義務付けられる事項(義務的団体交渉事項)が存在し、会社がこの要求に応じられない場合はその理由を労働組合側に具体的に説明する義務を負います。

この会社側に団体交渉に応じることが義務付けられる義務的団体交渉事項としましては、賃金、解雇、懲戒、福利厚生、労働時間制度、労災補償、安全衛生、配転、考課、休息といった労働者の労働条件や待遇に関するもの、団体交渉・争議行為の手続、組合員の範囲の決定、労使協議のルールなどの労使関係の運営に関するものがあり、また、会社組織の変更や新規事業への進出、経営者の人事などで労働者の待遇や労使関係の運営に関連するものについてはその限りで義務的団体交渉事項となります。

4、労働組合から団体交渉を申し入れられた場合の流れ

労働組合から団体交渉を申し入れられた場合、団体交渉はどのような流れで進むことになるのでしょうか?

以下では団体交渉の流れについて解説いたします。

(1)従業員から団体交渉申入書面が届く

団体交渉の申し入れはある日突然であることがほとんどです。

労働組合から団体交渉を希望する内容の団体交渉申入書、組合加入通知書、要求書などの書面が郵送されてきます
場合によっては、組合幹部が直接会社に持ってこられることもあります。

会社経営者の皆様は、団体交渉申入書という見慣れない書面が送られてきたからといって、決して慌てて対応をしてしまわないよう気を付けてください。
もし、誤った対応をしてしまった場合、会社にとって後に大きな損失となりまねません。
まずは落ち着いて、冷静な対応ができるように注意してください。

(2)団体交渉の日時・場所・出席者を確認する

団体交渉申入書には、団体交渉の日時・場所・出席者・議題について記載されています。

一見、書面に記載されている内容について全面的に相手側の要望に応じる義務があるように思えるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
なぜなら、団体交渉の日時や場所については、労働組合の指定した日時や場所で団体交渉をしなければならないという法的義務は存在しないのです。
ですので、労働組合が指定してきた日時や場所とは違うものをこちらから提示することができます。

さらに、開催時間については、就業時間中に応じる必要はありません。
これは、労働者には誠実労働義務がありますので、就業時間中は労働に努める義務があるからです。
ですので、就業時間以外の時間に団体交渉に応じればよく、従業員が就業時間中を団体交渉の開催時間に指定したとしもこれを断っても問題ありません

開催場所としては、会社や組合事務所での開催を避け、外部の貸会議室などの利用をお勧めします。
社内で開催した場合は、相手側が要望が通るまで会議室に居座ろうとし、終了時間が長くなってしまうケースや、他の従業員を巻き込んでしまうケースが想定されます。

また、組合事務所で開催された場合は、組合の雰囲気に飲まれてしまい、相手方のペースで交渉が進められてしまった結果、予期しない交渉結果となってしまう恐れがあります。

ただし、団体交渉の日時・場所の決定についてはご留意いただきたい点があります。
開催場所として、労働者にとって不便である遠方を提示したり、あまりに先の期日を指定した場合には応諾義務違反や団体交渉拒否とみなされる場合がありますので、注意が必要です

(3)使用者側の日程調整を行い出席者を決定する

労働組合は団体交渉への出席者として社長や代表者の出席を求めてくることが多いですが、会社側としては社長や代表者が団体交渉に出席する法的義務はありません。

団体交渉事項について、社長や代表者と同程度の決定権限を有し、交渉権限を会社から付与されている者であれば労務担当役員や人事課長、あるいは工場長などであっても出席者とすることできます。

(4)議題の確認とその対応を準備する

団体交渉において不用意な発言を避け、交渉を有利に進めるためにも、議題の確認とその対応の準備は入念に行う必要があります

労働組合の提案に対する会社としての回答の方針をあらかじめ書面化し、ロールプレイングなどで回答の練習を行い、団体交渉に向けて十分に備えるべきです。
団体交渉は基本的に口頭での交渉が原則ですが、資料等を用いて説明を行うことも可能です。
資料を用いての説明を試みる場合は、資料の準備も忘れないでください。

(5)団体交渉の開催

合意のあった日程・場所で団体交渉は開催されます。
団体交渉の進行は、基本的には、団体交渉を申し入れた組合側に行ってもらうようにしてください。

団体交渉の流れとしては、まず、労働組合に要求事項を述べてもらった後、会社側がそれに対する会社側としての回答を述べます。
会社が作成した回答書についてはこのタイミングで組合側に渡すようにしてください。その過程の結果、組合側から会社側の回答に対する再反論や質問がなされるなど、組合側と会社側の意見が相違する論点を中心に、双方の合意に向けた議論が行われます。

以上のような労働組合との交渉の結果、会社と労働組合とで合意に至った場合は、労働協約が締結されるのが一般的です。
労働協約については労組法14条に規定があり、「労使間の労働条件その他に関する協定であって、書面に作成され、両当事者が署名または記名押印したもの」と定義されています。
労働協約の締結においては、団体交渉の結果一定の合意が労働組合と会社との間に成立しているにもかかわらず、会社側が合理的な理由なく労働協約の締結を拒むことは誠実交渉義務違反となり許されませんので気を付けてください

団体交渉は基本的には複数回なされることが多く、交渉の状況によっては、組合側と会社側との間で次回の団体交渉に向けた論点整理などの事前準備の話し合いの場が設けられることもあります。

(6)団体交渉が決裂した場合

団体交渉が決裂し、これ以上交渉を重ねても交渉の進展が見込めない状態に至った場合、労働組合側は労働委員会や裁判所へ救済を求めることが可能です。

具体的には、労働組合側から不当労働行為として労働委員会への救済の申し立てがなされたり、労働基準監督署への調査の請求、また、労働審判や裁判で訴えを提起されることがあります。
その他にも、交渉の決裂に反発してストライキが行われたり、街頭宣伝やビラ配りがなされることもあります。

5、労働組合との交渉において留意するポイント

労働組合との交渉において、会社側には必ず留意していただきたいポイントがあります。
誤った対応をとってしまった場合、労働組合との交渉の際に不利になってしまいますので、注意が必要です。

以下では労働組合との交渉において留意していただきたいポイントについて解説します。

(1)使用者には誠実に団体交渉をする義務がある

労働組合法7条2号には「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由なく拒んではならない」と規定がされています。

これを団交応義務といい、会社が労働者側から団体交渉を申し入れられた場合、会社側には誠実に団体交渉に応じる義務があることになります。
誠実に交渉する義務ですので合意する義務までは生じませんが、会社には、単に組合の要求を聴くだけではなく合意に向けて誠実に対応する姿勢が求められます。

(2)団体交渉を申し入れた労働者を不利益に取り扱わない

労働組合から団体交渉の申し入れがなされたからといって、この組合員を団体交渉の申し入れを理由として不利益に取り扱うようなことなことはあってはなりません
例えば、該当する労働者に対して給与を下げるなどといって脅したり、差別的な態度を示す行為などがこれに該当します。

団体交渉権は労働者に与えられた権利であり、労働者には当然にそれを行使することができます。
仮に会社側が団体交渉を理由に不利益的取扱いをしたとなると、労働者の権利を奪ったことになり、労働者に付け入る隙を与えてしまい、会社側の責任が問われることになってしまいます。

(3)団体交渉を正当な理由なく断らない

労働組合から団体交渉を申し入れられた場合、会社には誠実交渉義務があるため、正当な理由なく団体交渉そのものを拒むことはできません(労組法7条2号)。

もし、正当な理由なく団体交渉を拒否してしまった場合、不当労働行為となってしまうので注意してください。

(4)組合員の氏名や人数の明示がなされていなくても団体交渉に応じる

労働組合が会社に対して団体交渉の申し入れを行うにあたって、書面に組合員の氏名の記載がなく、誰が組合員であるのかが分からないケースがあります。

このような組合員全員の氏名が判明していない場合であっても、企業側には団体交渉に応じる義務があります
ですので、会社側から労働組合に対して組合員の氏名や人数の明示を請求した場合であっても、労働組合側がこれに応じないからといって団体交渉を断わらないように留意してください。

(5)訴訟中であること等を理由に団体交渉を拒否しない

団体交渉において、使用者側と労働者側との間で問題の解決が見込めない場合、労働者は団体交渉と並行して裁判所に労働審判や訴訟を申し立て、法的解決を図ろうとすることがあります。

この場合、会社は労働審判や訴訟の進行を理由として団体交渉を拒否してしまうと、断交拒否とみなされてしまいます。
原則として、訴訟中であっても団体交渉には応じるようにしてください

また、団体交渉における会社側の対応のなかで、進行している訴訟と重複する内容に関しては、訴訟で主張していることと矛盾することのないように注意してください。

(6)上部団体役員の出席を拒否しない

団体交渉において、交渉の場に労働組合の上部団体の役員が出席してくることがあります。

会社と従業員の間の交渉の場に会社とは無関係とみられる労働組合の上部団体役員が出席してきた場合、会社としては何故この者たちが会議に出席するのか不思議に思うかもしれません。
しかし、そこでこれらの者の出席を拒否することのないように気を付けてください。

労働組合法上、会社は上部団体の役員の参加を拒否することはできません。
会社側には、上部団体役員の団体交渉の出席には応じる義務があるのです。

(7)元従業員からの団体交渉を無視しない

団体交渉の申し立てができるのは、現在雇用関係にある労働者だけではありません。
既に退職した者であっても、解雇・退職の有効性や退職金・残業代の請求などを目的として、団体交渉を申し立ててくるケースがあります

元従業員から団体交渉を申し入れられた場合は、必ず団体交渉に応じるようにしてください。

(8)組合側からの提案にはその場での応諾を控える

団体交渉の場において、組合側からの質問のすべての事項への即答が求められるわけではありません。

組合に対して会社の立場や主張の論拠などを具体的に説明したうえで、結論については社内に持ち帰って検討することも許されます

(9)団体交渉での協議事項を確認し、応じる義務のない事項には回答を控える

団体交渉の対象となる事項については、先程ご説明をさせていただきましたが、基本的に、賃金、解雇、懲戒、福利厚生、労働時間制度、労災補償、安全衛生、配転、考課、休息といった労働者の労働条件や待遇に関するもの、団体交渉・争議行為の手続、組合員の範囲の決定、労使協議のルールなどの労使関係の運営に関するもの、また、会社組織の変更や新規事業への進出、経営者の人事などで労働者の待遇や労使関係の運営に関連するものといった義務的団体交渉事項に該当しない協議事項については、交渉に応じる必要はありません

ただし、仮に義務的団体交渉事項に該当しない交渉内容で団体交渉を起こされ、これらの交渉に応じてしまった結果として労働協約の締結に至った場合、その限りで団体交渉の効力が生じてしまうことになります
そのため、交渉に応じる義務のない内容まで不必要に協議することは避けることが望ましいと思われます。

(10)交渉の場では安易な約束はしない

団体交渉においては、交渉の内容が録音されていたり、議事録が作成され記録として残ることを念頭に置いて、安易な発言や約束は避けるようにしてください
交渉の場では、その場の勢いでなされた発言や約束であっても証拠として記録され、今後の団体交渉に影響してきます。

会社には誠実交渉義務がありますので、労働組合の請求に対しては必要に応じて資料を提示するなどして、具体的な回答をしなければなりませんが、労働組合の要求に応じて合意をする義務まで負うものではありません。
団体交渉では、労働組合と必ず合意をしなければならないと勘違いして安易な約束をしてしまうことは絶対に避けてください。

(11)団体交渉での発言者を限定する

団体交渉の場での発言者はなるべく限定するようにしてください
可能であれば、一人にとどめるのが望ましいです。

発言者が複数人いた場合、意見の相違が生じ相手方に隙を見せることになり、不利な状況となってしまいかねません。
団体交渉では、基本的には組合側の質問に回答するだけで構いませんので、なるべく発言者を絞ることをお勧めします。

(12)組合側に提示された書類に安易にサインしない

団体交渉の場においては、労働組合側から議事録と称した書面にサインをすることが求められることがあります。
交渉の場において、組合側から何らかのサインを求められた場合には注意が必要です。

例えサインを求められた書類の名目が議事録であっても、労働協約の様式が備わった内容のものであれば、それは労働協約であるとみなされてしまうからです。
いったんサインをしてしまうと、労働協約としての効力が生じ、会社側も組合側もこれに拘束されてしまいます。
会社と労働者の間の労働契約においては、労働協約に反する部分は無効であり、労働協約に反する内容の就業規則や雇用契約は認められません。
それだけ労働協約は会社と労働者を強く拘束するものなのです。

そのため、団体交渉の場で組合側に提示された書類がどのような文書であったとしても、一旦会社に持ち帰り、内容を十分に確認したうえでサインをするようにしてください。
団体交渉において組合側に提示された書類に安易にサインすることは絶対に避けるようにしてください。

6、団体交渉が決裂した場合どうなるの?

団体交渉が決裂し、これ以上交渉を重ねても交渉の進展が見込めない状態に至った場合、労働組合側は労働委員会や裁判所へ救済を求めることが可能です。

不当労働行為として、労働委員会への救済の申し立てがなされたり、労働基準監督署への調査の請求、また、労働審判や裁判での訴えを提起されることがあります。
その他にも、交渉の決裂に反発して、ストライキが行われたり、街頭宣伝やビラ配りがなされることもあります。

7、団体交渉を拒否した場合どうなるの?

会社側の団体交渉の対応に問題があった場合労働組合側はこれに対する救済を求めてくることが想定されます。
この場合の労働組合側が求めてくる対応としては、どのようなものが考えられるのでしょうか。

使用者の団交拒否に対しては、組合側は大きく分けて各都道府県の労働委員会に救済命令申立を行うか、裁判所による救済を求めるかのどちらかの対応をとることが考えられます。

(ⅰ)労働委員会による救済
会社の団交拒否に対して、労働組合は、労働委員会に対して救済命令申立てを行うことができます(労組27条)。

労働委員会は申立てを審査し、理由があると認めるときは、会社に対し団体交渉に応ずること、または誠意をもって交渉に応ずることとの命令を発します。
また、労働組合は団交拒否を労働関係調整法上の労働争議(6条)にあたるとして、労働委員会に斡旋、調停、仲裁の申請をすることもできます。

(ⅱ)裁判所による救済
労働組合は会社側の団交拒否に対して、直接裁判所に救済を求めることもできます。
労働委員会の手続きは、比較的審理に時間を要することも少なくありません。
そのため実際は、迅速な解決が重視され、裁判所への救済を求める傾向にあります。
労働組合側は、団体交渉を求めうる法的地位の確認請求訴訟や、団体交渉拒否に対する損害賠償請求訴訟を申立ててくることがあります。

以上のように、もし、会社側が組合からの団体交渉を拒否してしまった場合、組合は団体交渉とは別の救済を図ってくることが考えられます。
この場合であっても、会社は組合員に対して誠実な対応を心掛けるようにしてください。

8、労働組合との団体交渉を弁護士に依頼するメリット

労働組合から団体交渉を申し入れられた場合、まずは労務問題に関する法律の専門家である弁護士に相談することをご検討ください。
労働組合からの団体交渉の申し入れに対しては、仮に誤った対応をしてしまった場合会社にとって不利な内容の労働協約を締結してしまったり、労働委員会への申立てや訴訟を提起されてしまう恐れがあります。

弁護士に依頼するメリットとしましては、弁護士は会社側の代理人となって会社の代わりに組合側と交渉することができるうえ、会社が従業員に対して行った行為が、不当労働行為と判断されないように、個々のケースに応じて適格な法的アドバイスをすることが可能です。

労務問題でお困りの際は、ぜひ一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

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