学校法人で起きやすい法的問題・労務トラブルについて

学校法人で起きやすい法的問題

学校法人は、学生への教育を目的とするという特徴があります。そして、このような目的に基づき、学校法人には公共性及び公益性が認められ、国からも補助金が支給されるといった特色が存在します。

学校法人は、株式会社よりもコンプライアンスを遵守する必要性が強い組織形態であるということがいえ、法的問題に対応する場合においても、このような株式会社との違いを念頭に対応する必要があります。

学校法人で起きやすい法的問題には以下のようなものが存在します。

教職員の労務環境

近年、公立学校における教職員の労務環境の悪さがニュースなどでピックアップされ注目を集めています。

公立学校における教職員と学校法人における教職員では、適用される法律や法律上の地位が異なりますが、上記のような状況を受け、学校法人における教職員の労務環境も改善すべきであるという機運が高まっています

児童事故対応

学校では学生が共同で生活を送り、様々な活動を行うことから、どうしても様々な事故が生じる可能性が存在しています。

事故の内容も、多岐にわたり、学生同士のけんかが原因である場合や、スポーツや部活動中に事故が生じる場合、学校設備の不良が原因で学生が怪我をしてしまうような場合などが考えられるところです。このような事故が生じてしまった場合、損害賠償や補償を含めた学生に対する適切な対応を行う必要があり、場合によっては、事故の原因究明のための調査や再発防止策を策定することが求められます

保護者からのクレーム対応

学校においては、保護者から不当なクレームがつけられることもあり、その対応が必要な場合も存在します。

理不尽で理由のないクレームを行う保護者をモンスターペアレントと呼ぶことがありますが、時には、学校外の関係部署にまでクレームを入れることがあり、適切なクレーム対応が必要となる場合があります

ハラスメント対応

学校法人はパワハラ・セクハラ・アカハラといったハラスメントが発生する可能性が比較的高い法人であるといえます。

上記のように学校法人には公共性及び公益性を確保することが求められていますから、法人にはこれらのハラスメントが起きないよう環境を整備することが特に求められており、仮に、これらのハラスメントが生じた場合には、適切な対応をとり、被害者を助けるとともに、行為者にペナルティを与えることが必要になります

法的課題を放置することのリスク

教職員の退職・人手不足

教職員の労務環境が悪化し改善が図られない場合、モチベーションが低下し、教職員の退職を招く可能性が増加します。

特に、現在、教員志望者が減少していることに鑑みれば、このような状況が継続することで慢性的な人手不足に繋がり、さらに教職員の労務環境が悪化するという負のスパイラルに陥る可能性があります。

その他にも、教職員の労務環境が悪化し、長時間労働が生じるような場合には、教職員のメンタルヘルスが悪化したり、教職員が体調を崩すといった事態にも発展する可能性があります。このような事態が生じてしまうと、教職員から労災申請がなされたり、安全管理義務違反に基づく損害賠償請求がなされるリスクが生じてしまうところです。

保護者からの損害賠償等の損害・損失

学内での事故を完全になくすことは難しいところがありますが、仮に、事故が生じた場合に、損害賠償や補償が不十分であったり、保護者から十分な理解が得られないようなときには、保護者から学校法人に対して、損害賠償請求などの訴訟が提起される可能性が生じてしまいます。

学校法人にとっては、保護者から損害賠償請求等をされるということ自体が不名誉なことですから、そのようなこと自体が大きなレピュテーションリスクになり得ます

学校法人への信頼の低下による経営への影響

学校法人は保護者からの意見に関して、真摯に耳を傾け適切に対応する必要があります。不適切なクレームに対しては毅然と対応を行うべきですが、クレームへの対応に失敗すると、学校法人に大きな不利益をもたらす可能性があります。

クレーム対応に失敗すると、保護者がクレームの内容をインターネットやSNSに書き込んでしまうことも考えられます。情報は一度拡散されると完全に削除することはできませんし、インターネットやSNSに書き込まれた情報は、内容が真実ではなくても、多くの人は真実であると受け取ってしまいがちです

その結果、学校法人への信頼が低下し経営に悪影響が生じる可能性もあります。

教職員・学生のハラスメント被害

学校法人が、パワハラ・セクハラ・アカハラといったハラスメントに対する環境整備ができていない場合、教職員や学生に対するハラスメントが発生する蓋然性が高まります。

ハラスメント問題が発生すると、教職員や学生に取り返しのつかない大きな不利益を与える可能性があり、ひいては学校法人の運営にも重大な支障を生じさせる可能性があります。

当事務所のサポート内容

教職員の労務環境の整備

教職員との労務トラブルについては、教職員の労務環境を整備することが重要です。そのためには、教職員の労働に関する諸般の法律を正確に理解すること、適切な就業規則を作成すること、適切な労務管理を行うことが大切になりますが、当事務所ではこれらの対応をサポートしています。

まず、就業規則を含む各種学内の規程を確認し、法令に違反する内容がないか、最新の法改正の内容を反映することができているかを確認することが重要です。

例えば、育児介護休業法などは数年おきに細かい改正がなされていますが、時折、育児介護休業規程の内容が最新の法令改正に対応できていない学校法人が見受けられるところです

また、単に労働契約書や就業規則といった規則規程の内容を確認するだけでは意味がありません。これらの内容に沿って適切に労務管理を行っているかまでチェックすることが重要です。

例えば、一部の学校法人では教職員の長時間労働を防ぐために残業禁止制や残業許可制が採用されていますが、このような制度が適正に運用され、形骸化していないかチェックすることが重要です。

当事務所では、適切な契約・就業規則の作成、適切な労務管理について、アドバイスを行っており、学校法人をサポートいたします。

児童事故に関する交渉・訴訟

学内で児童事故が生じてしまい、保護者と協議を要するような場合には、保護者の方との交渉に関し、学校法人をサポートします。学校法人にアドバイスを送る、あるいは、交渉の段階から学校法人を代理することで、学校法人の利益を守るためのベストプラクティスを提案します。

また、児童事故に関し、訴訟が提起されるような場合には、訴訟手続を代理し、学校法人の利益を守るため、訴訟活動を遂行します。さらに、児童事故の内容が重大である場合は、原因究明の調査及び再発防止策の策定に関し、法的観点からのサポートを行います。

クレーム対応、インターネット・SNS対応

保護者からの意見に関して真摯に耳を傾ける必要があることは上記のとおりです。しかし、不当なクレームにまで対応する必要はありませんし、クレーム対応により教職員のメンタルヘルスに問題が生じてしまう可能性も考えられるところです。

そのような不当なクレームに対しては、代理人として窓口に立ち、対応を行うことで学校法人をサポートいたします。

また、保護者がクレームをインターネットやSNSに書き込んでしまい、その内容が不当に学校法人の名誉を毀損するような場合には、投稿の削除あるいは投稿者の特定を行うことも可能です。

ハラスメント防止策の実施、ハラスメント調査、処分の補助

学校法人にいて、ハラスメントが発生しないようにするためには、事前に環境を整備することが重要になります。

そのためには、ハラスメント防止規程を作成するだけではなく、教職員にその内容を周知して、ハラスメントを容認しないという学校法人の方針を明確に示すことが有効です。

また、ハラスメント防止のためには、研修を実施することも重要です。管理職と非管理職では、ハラスメント防止のために気を付けるべきポイントに差があるところです。そのため、教職員の種類ごとに研修を行うとより効果的です。

さらに、ハラスメント窓口や内部通報窓口を整備し、その内容を周知することで、ハラスメントを牽制することが可能になります。

仮に、ハラスメントが生じてしまった場合には、行為者及び被害者を含む被害者の立場に配慮して正確な事実認定を行い、適正妥当なペナルティを与えることが必要となります。このような処分を行うことで将来のハラスメントを防止することが可能になります。

当事務所では、ハラスメント防止規程の作成、ハラスメント防止研修の実施、ハラスメント相談窓口や内部通報窓口の対応についてサポートしています。また、仮にハラスメントが発生した場合の調査、事実認定、処分についてもサポートを行い、適正な処分、被害者救済について学校法人をサポートします。

法律問題でお困りの学校法人様は弁護士にご相談ください

法律問題でお困りの学校法人様は専門家の弁護士に相談されることをお勧めします。また、紛争に発展してしまう前の予防法務の観点からも、弁護士の利用をご検討ください。

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