学習塾など教育支援業の法的リスクについて

 

学習塾等の教育支援業の企業様は、弁護士と顧問契約を締結することについてお考えになったことはありますでしょうか。教育に携わる業界では、株式会社よりもコンプライアンス遵守の必要性が高いケース存在します

以下では、教育支援業界における法的リスクや実際に起きてしまったトラブルの事例、弁護士と顧問契約を締結することのメリットについて説明させて頂きます。

教育関連ビジネスでの法的リスク

まず、教育関連ビジネスにおいてどのような法的リスクがあるかについて説明させて頂きます。

生徒・ご家族とのトラブル

生徒同士が喧嘩し、双方またはどちらか一方が怪我をした場合、怪我をした生徒のご家族が怪我をさせた生徒に対して損害賠償請求をすることにとどまらず、その喧嘩を止めることができなかった学習塾等に対してクレームや損害賠償請求をすることがあります。

また、講師等の指導が原因で精神的苦痛を受けたことを生徒がその保護者に対して主張し、保護者が学習塾等に対してクレームや損害賠償請求をするケースも想定されます。

顧客情報の漏えい、個人情報保護

学習塾等の元従業員が学習塾等で取得した顧客情報を他の学習塾等等に売却することによって顧客情報が漏洩したり、学習塾等の講師等が顧客情報を持ち帰る道の途中で、自己の車内に置き忘れて車上荒らしに遭い、顧客情報を紛失したりすることもあります。その場合に、顧客情報を漏洩・紛失したことに対する個人情報保護法等に基づく対応や事後処理として顧客に対する損害賠償を検討しなければなりません。

集客に向けた広告規制・風評被害

学習塾等が生徒を集客するために、合格者数等の実績を掲げたり、入試問題の予想が的中したことをアピールしたり、有名大学出身の講師がいることを宣伝したりすることがありますが、宣伝の仕方を間違えると行政機関等による広告規制に違反してしまい、行政処分等の一定の処分がなされることもあります。

また、学習塾等の指導方法等に対する生徒やその保護者の誤解などによって、学習塾等の悪い噂をSNSなどに投稿され、受講者数が激減してしまうこともあります。

過去に起きた教育関連ビジネス業での案件・事例

実際に教育関連ビジネス業を営む学習塾等で起きてしまった具体的な事例について以下では説明させて頂きます。

事例①ハラスメント

女子生徒X1とX1の弟の父であるX2は、学習塾であるAとの間でX1とX1の弟に授業やテストを受けさせる旨の契約を締結し、授業料30万をAに支払いました。その後、Aの代表取締役でありかつAの講師でもあるYは、X1が肩の凝っているような仕草をした際に、「肩を揉んでやる」などと言って、X1が一旦断ったにもかかわらず、X1が並べた椅子の上に横にして、X1の背中から腰の辺りをマッサージしながら突然X1の首に腕を回し、X1の体に覆いかぶさり、自分の顔面をX1の頬にすり寄せ、キスをするような仕草をし、X1が止めようとしたにもかかわらず、Yはやめませんでした。その後、X1はAに通うことはなく、Aから郵送された教材も送り返していました。このような状況で、X1及びX2はY及びAに対して慰謝料や授業料の返金等を請求しました。

裁判所としてはYの行為によって被ったX1の精神的苦痛に対する慰謝料を60万円が相当であると認定し、Yの行為がAの職務において行った行為であるとしてAの使用者責任を肯定し、YとAにX1に対して各自、60万円を支払うように命じました。

さらに、その後X1がAに通わなかったことや教材を送り返していたことを理由に授業に関する契約の黙示的解除の意思表示があったとし、解除に基づく原状回復請求としてAにX1に対して24万円を支払うことを命じました。

事例②広告規制

学習塾Bは広告チラシにおいて「国公立大学出身98%・・・・・・精鋭講師陣が皆さんを指導!」などと記載し、氏名及び卒業した国公立大学・大学院の名前を併記した自社講師の写真を掲載したにもかかわらず、実際には、Bの講師のうちの国公立大学・大学院を占める割合が約14パーセントにすぎませんでした。そのため、消費者庁が不当景品類及び不当表示防止法4条1項1号の優良誤認にあたるとして同法6条に基づきBに対して違反行為を行わないことなどを命じる「措置命令」を行いました。

事例③労務トラブル

学習塾の法人C及びその代表者は従業員8人に対して賃金総額86万9590円を所定支払日に支払わなかったため、同法人所在の都道府県Dの最低賃金額約800円以上の賃金を支払っていないことになりました。労働基準監督署に対し申告があったことを契機に行政指導が行われましたが、Cは是正しませんでした。そこで、労働基準監督署は、捜査が始め、最低賃金法違反が明らかになりました。そのため、CはDを管轄する検察庁に書類送検されてしまいました。

教育関連ビジネスの経営で意識すべき法的ポイント

教育関連ビジネスを経営する上で意識すべき法的ポイントについて以下で説明させて頂きます。

迅速なトラブル対応に向けた専門家の確保

教育関連ビジネスは身近な存在であるため、生徒やその保護者が素人的な意見を持つことができる存在でもあり、生徒やその保護者が今まで受けてきた教育体験を踏まえて様々な意見を持つことがあります。そのため、そのような素人的な意見の衝突によってトラブルが生じたときに法的な視点からどのように対応すべきか検討する必要があります。そして、そのようなトラブルを早期に解決するためにも、日頃から相談できる法律の専門家である弁護士を確保し、迅速にトラブルに対応できる体制を構築しておくことが重要となります。

トラブル防止に向けた各種規程/書類の作成

教育関連ビジネスはトラブルが生じてしまうと、トラブルが生じたことによる社会的評価の低下により受講者が激減し、企業が経済的ダメージを負うことがあります。そのため、トラブルを防止できるように、従業員に対する懲戒事由及び懲戒処分の内容を定めた就業規則を作成し、従業員が周知できる場所に備え付けておくことや就業規則に準ずるようなトラブル防止のための企業内ルールを書面化し、日頃から従業員の見える場所に掲示しておくこともトラブルを防止する上で重要となってきます。

また、生徒や保護者に適用する規約を作成することによって、学習塾等が負うべき法的範囲を明確にし、事後における紛争を防止することが考えられます。

事業拡大に向けた規制対応の整備

事業を拡大する場合、様々な規制対応の整備を検討しなければなりません。現在、話題となっているのは、私立学校における役員の職務・責任の明確化、情報公開の充実、自主行動基準であるガバナンス・コードの策定などがあります。

また、新たな分野に事業を拡大する場合には、その分野における規制について検討しておかなければなりませんし、事業の規模、特性等に応じたリスク管理体制、いわゆる内部統制システムを整備する必要が出てくることもあります。

当事務所のサポート内容

弁護士と顧問契約を締結するということについてどのようなイメージをお持ちでしょうか。以下では、一例として学習塾等の教育支援業の企業様に対する当事務所のサポート内容について説明させて頂きます。

交渉・訴訟対応

生徒やその保護者等とトラブルが生じた場合、弁護士が窓口となり、法的観点や企業様のご意向を踏まえて生徒やその保護者等と柔軟に粘り強く交渉いたします。また、トラブルが訴訟に発展した場合には、弁護士として適切な対応をいたします。

従業員との労務トラブルの改善・防止に向けた対策

弁護士が法的観点から、従業員に対する懲戒処分や解雇等を想定して就業規則を見直し、従業員との労働に関するトラブルを未然に防いだり、法律等を踏まえて現在生じているトラブルをどのように改善していくかをご提案したりさせて頂きます。

集客に向けた景表法に関する確認・広告規制チェック

集客に向けた広告を作成した場合に、ご依頼をして頂ければ広告が不当景品類及び不当表示防止法に違反していないか、他の広告規制に違反していないかについて法的観点からチェックさせて頂きます。

個人情報保護に関する体制整備

個人情報保護法は最新では令和3年に法改正されているので改正法を踏まえた個人情報の取り扱いに関する体制の整備は必要不可欠となっています。そのため、弁護士として改正法に対応する個人情報保護に関する体制の整備をご提案させて頂きます。

悪質な口コミ等の風評被害対応・対策

悪質な口コミ等については弁護士として法令に基づいて削除請求をしたり、発信者情報の開示請求をし、風評被害に対する損害賠償をしたりすることを提案させて頂きます。

法律問題でお困りの学校法人様は弁護士にご相談ください

ここまで、教育支援業界の法律問題を中心に解説してきました。

トラブルが発生した後はもちろん、予防するためにも弁護士は力になれます。当事務所では、これまで学校法人や教育支援業界の法律問題を数多く取り扱ってきました。業界特有の事情を理解したうえで、誠心誠意対応いたします。

お困りの方や予防法務によるリスク軽減をお考えの方はぜひ一度当事務所までご相談ください。

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