塾・予備校の弁護士が送迎トラブルや騒音問題への対処を解説

学習塾にとって、近隣トラブルは大きな悩みの種です。特に、騒音や交通トラブルに関するトラブルは、塾のイメージを悪くするだけでなく、営業にも影響を与えます。本記事では、近隣トラブルのリスクを避けるための対処法を解説します。

学習塾経営における起きやすい近隣トラブル

学習塾経営において、近隣の方と起きうるトラブルはどのようなものがあるのでしょうか。

典型的なものとしては、塾の生徒の話し声等による騒音、送迎による交通量の増加、自転車の駐輪状況に関する苦情が考えられます。順に説明していきます。

塾の生徒の話し声等による騒音

まず、生徒の話し声等による騒音問題があります。塾への行き帰りの道中で、入塾している生徒の話し声が自覚している以上に大きく、近隣の方々にとっては騒音となっていることが考えられます。

特に、塾の講義が終わる時間は夜遅い時間になることが一般的です。周囲の方々にとって、寝る準備をしている頃に、塾の講義が終わった生徒達がにぎやかに帰宅していくのは、あまり好ましくないでしょう。

このようなことが継続していけば、近隣の方々にとっては大きな不満となってしまいます。

送迎による交通量の増加

次に、塾への送迎の際の交通量増加の問題があります。

塾の開始・終了時刻が定まっているため、送迎に来る保護者の往来もその時間の前後に集中することとなります。すると、付近の道路の渋滞や路上駐車が起きてしまいます。

近隣の方々の往来の妨げとなり、不満の原因となると考えられます。

自転車の駐輪状況

3つ目に、自転車の駐輪問題があります。

生徒が自転車で通塾している場合、所定のスペースからはみ出すなど乱雑に自転車が駐輪されていることで、近隣の住民の方々の往来の妨げになることが考えられます。

一般道にはみ出さずに駐輪をすることができるようなスペースを確保できるのであればこの問題は起こりにくいのでしょうが、そのようなスペースが必ずしも確保できるとは限らないでしょう。

近隣トラブルを放置することのリスク

以上、典型的な近隣トラブルを紹介しました。それでは、このような近隣トラブルを放置することによってどのようなリスクがあるのでしょうか。

通塾している生徒への被害

まずは、通塾している生徒本人へ被害が生まれるおそれがあります。

近隣住民の方々の不満が生徒の方へ向いてしまうと、生徒に対して直接に苦情を言うなども考えられます。見知らぬ大人から苦情を言われるような環境では、生徒の通塾意欲がなくなり、退塾などにつながりかねません。

生徒が気持ちよく通塾し、勉強に専念できるように環境を整備することは、学習塾経営が成功する一つの選択肢だろうと思われます。

警察等への相談による営業への影響

また、近隣住民が、塾や生徒本人ではなく、警察など公的機関に相談や苦情を入れることも想定されます。送迎による交通量増加や駐輪自転車の問題など、交通関係の問題では特に注意しておくべきことと考えられます。

確かに、実際に路上駐車等を行って、交通ルールを守らないのは、当該保護者や生徒本人かもしれません。しかし、そのように保護者や生徒が集まる場所を提供している以上は、警察から何らかの指摘を受けてしまうこととなるでしょう。

警察が来れば、追い返すことはできず、何らかの説明をしなければならないでしょう。そのために時間を割くこととなり、本業に支障が出ることも想定されます。

場合によっては、保護者から、外部対応ばかりで授業がきちんと行われていないなどの二次クレームが出ることもありうると思われます。

悪い評判による集客数の減少

そして、警察が頻繁に訪問するような学習塾であれば、運営側に何か不手際があるのではないかと外部の方にも思われてしまい、悪い評判が広まってしまいます。

競合塾が多いような地域では、一気に集客力が落ちてしまい、学習塾経営に大きな支障となってしまいます。

近隣トラブルに対する対処方法

最後に、このような近隣トラブルが起きてしまった場合の対処方法を説明します。

トラブル防止に向けた施策(生徒への声かけ・交通ルールの徹底等)

まずは、トラブルの原因となっている生徒や保護者への声掛け、案内を徹底することです。学習塾はあくまで、勉強を教えて成績や学力を伸ばす場所であり、生活指導の場ではありませんが、学習塾経営を順調に行うために必要な範囲で生活指導を行う必要があります。

具体的には、入塾時に説明する、定期的に通知文を送付するなどの情報周知を行います。

近隣の方へ定期的な挨拶まわり

次に、近隣住民との関係性を改善することです。

近隣住民との関係性を良好に保つことで、近隣トラブルが発生したとしても、被害を少なく抑えることができるでしょう。

また、並行して、近隣住民の方に理解を得ることも必要でしょう。

駐車場のスペースが取りにくいことや、授業時間の都合上、生徒や保護者の往来が短時間に集中してしまうことを丁寧に説明します。そして、生徒や保護者にはきちんと案内をしていることや、騒音や交通ルールの問題があるようであれば教えてほしいこと等を説明し、近隣住民の方々と敵対する立場ではないことを理解してもらいましょう。

このような形で近隣住民の方々と友好的な関係を作り、維持することが肝要です。

過剰な主張をされた場合は正当に向き合って対処する

近隣住民の方々の主張や要求が、常に根拠のある正当なものであるとは限りません。学習塾側に過大な負担を求めてくることもありえます。

そのような主張を安易に受け入れてしまうと、主張が増幅し、際限なく要求をしてくるようになってしまいます。

要求が、学習塾が対応しなければいけないような内容なのか、経営状況からして負担が過大にならないかを検討し、冷静に話し合いをし、不満の内容に真摯に向き合うことが必要となるでしょう。

仮に、学習塾に押しかける、塾内に押し入ってくるなどの強硬手段を取ってくるような場合には、職員、生徒の身の安全を第一に考え、こちらとしても警察に通報するなどの手段を取らざるをえないでしょう。

学習塾経営における法的トラブルは弁護士にご相談ください

以上、学習塾経営における近隣トラブルの典型例や具体的な対策を説明してまいりました。

学習塾経営においては、契約している生徒保護者との関係、事業者側内部での使用関係、外部との対外的関係など様々な法的リスクがあります。

学習塾経営における法的トラブルにお困りの方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

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